これ以外では例えば膀胱結石、皮膚の炎症、怪我、異物を誤って飲みこんでしまった場合、感電、骨折、脱臼、神経障害、腎臓の病気、肝臓の病気、心不全、肺炎など呼吸器の炎症、腫瘍、中毒、子宮の炎症、眼の病気、その他何でもありです。
これを突き止めるというのは、たとえ獣医師といえどもなかなか大変な作業でしょう。
ただどんな原因にしても共通のことがあり、それはウサギが餌をとらないというのは緊急事態と考えてまず間違いないということです。
ウサギ� ��イヌやネコと大きく違うところは、ウサギが24時間以上の絶食に絶えられない体質であるということです(イヌは5日、ネコは2日くらいなら水分だけでも持つかもしれませんが)。
ウサギが餌を1日食べないと大きな問題が3つ起こります(他にもあるのかもしれませんが)。
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1つ目の問題は消化器(胃腸)の運動能が低下してしまい、ますます食欲がなくなってしまうと言うことです。
犬や猫など、寝ていても24時間超が動いている生き物と違い、ウサギの場合は繊維質は栄養であり、腸を動かす原動力でもあります。
食事(繊維質)をとらないと胃腸が動かなくなり、胃腸内の食べかすが異常発酵して胃、腸にガスがたまり、苦しくなって食べられない→食べられないと腸が動かない→動かないから余計ガスがたまる、とあとは勝手に転げ落ちていってしまいます。
もう1つの問題は、ウサギは24時間以上餌をとらないと脂肪肝という肝臓の病気になっていくということです。
これは腸管からの栄養の吸収が滞ると、エネ� ��ギーを得るために、全身に散らばった脂肪を肝臓に集め、これをエネルギーに変えようとする性質からきています。
全身から集まってきた大量の脂肪を肝臓は処理しきれなくなり、肝臓の機能が低下してしまいます。
ちなみにこれはおデブなウサギさんほど危険ということになります。
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3つ目の問題は繊維質が腸内に供給され続けないと、腸内細菌のバランスが崩れてしまうということです。
本来ウサギの腸内では少数派のクロストリジウムなどの悪玉菌が増え始め、これが一定量を超えると毒素などをばらまき、これによってさらに食欲が落ちて行ってしまいます。
例えばどこかが痛くて食欲がなくなったときでも、歯が伸びすぎて餌が食べられなかったときでも、飼い主さんが餌を入れ忘れて食べられなかったときでも、とにかくどんな原因でも24時間以上餌をとることができなかったら、これらの問題は起こってきます。
そして、はじめの食欲がなくなる原因が解決した後でも(例えば痛みをとるような処置� �したり、伸びすぎた歯を切ったり、餌をあわてて与えてみたりしても)、この3つの問題は残り、これによって症状が進行していくこともあるのです。
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また、こういう問題が起こってくるからこそ、ウサギは相当弱っていても、がんばって餌を食べようとします。
したがって、ウサギが餌を食べられないというのは、どんな原因が隠されているのしろ、もう我慢の限界であり、命を落とす瀬戸際まで来ているということを意味するのです。
少しでも早く病院に連れていき、食欲を落とす原因となったはじめの問題を解決し、それと同時に消化器系運動能の改善と、脂肪肝になるのを防ぐための処置、腸内細菌の正常化を進める必要があるのです。
具体的には点滴や、腸管運動機能亢進薬の投与、強制的な食餌の給与、抗生剤の投与などが一般的ですが、これは症状いかんによって異なる� ��で、獣医さんの指示を仰いでください。
これはなにも餌がまったく食べられなくなるまで様子を見ていても良いということではなく、食餌の減り方が減ってきたり、便の量が減ってきたりしたらもう、病院に行ったほうが良いということです。
そこには何か大きな問題が隠されているのです。
今のところ、ウサギの生理、生態に関しては謎な部分が多々あるので、この文章のどこまでが実際のウサギの状態と一致するのかわかりませんが、これだけははっきり言えます。
ウサギは24時間以上食べないと、非常に危険な状態になるのです。
ウサギは食べてなんぼの生き物です。
食べなければ、強制的にでも食べさせなければ生きていけません。
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