2012年5月4日金曜日

犬と猫の風邪について その3 ~猫カゼ~ | かもめ動物病院


こんにちは。院長 中山です。

外は春の嵐でまるで台風のようです。気温も上がってきて春らしくなってきましたね。

春になるとワンちゃん達は予防のシーズンとなります。狂犬病の予防接種やフィラリア予防、ノミ・ダニのケアと盛りだくさんです。

どういうスケジュールでやったら良いのか迷っている方はお気軽にご相談下さい。

更新が遅れているせいでやや季節外れとなってきた風邪ネタの最終回は、一般的に猫カゼと呼ばれる病気についてです。

 

これらの病気はちょっと専門的に言うと「猫の上部気道感染症」と呼びます。

その原因のほとんどが主に2種類のウイルスによるものです。そこに細菌が二次的に感染を起こし症状を悪化させるというケースが多いですね。

その2種類のウイルスというのはヘルペスウイルスとカリシウイルスです。どちらも3種混合ワクチンに入っている病気なのできちんと予防してあげましょう。


子犬の嘔吐

症状はくしゃみ・鼻水・鼻づまりに始まり、発熱に伴う食欲不振・元気がなくなるなどまさに人の風邪のようです。また、結膜炎や口内炎・関節痛などを起こすこともあります。

それではそれぞれについてみてみましょう。

 

猫のヘルペスウイルス感染症は、一番目にする頻度の高い感染症です。

特に子猫でよく見られます。外で子猫を拾ってきた時に、目は目やにでグシャグシャ鼻水をたらしてくしゃみを連発でするというのはよくあります。

このようなケースはヘルペスウイルスが悪さをしている可能性が高いでしょう。その上で細菌の二次感染を起こしていると考えられます。

目やにや鼻水が膿のような黄色っぽいモノであれば細菌の関与が強く疑われます。


ニキビダニ症

治療は全身状態を改善するために対症療法(発熱に対しての解熱剤など)・支持療法(脱水症状に対しての点滴など)をし、細菌感染に対しては抗生物質を与えます。

症状には幅があり重症の子は集中的な治療が必要で、軽い症状であれば飲み薬と点眼薬等で治療します。

治療効果は開始時点の状態やその子の免疫状態にもよりますが、大人の猫ちゃんであれば回復する可能性が高い病気です。

また、持続感染や後遺症を生じる可能性が高い疾患でもあります。

 

次にカリシウイルス感染症です。こちらはヘルペスに比べると少ない印象です。

ただ、実際の臨床現場ではこの2種類の感染症をきちんと検査によって分けて診断することはまれなので、症状によっての印象です。

ヘルペスと違う症状としては口の中の潰瘍と多発性関節炎が挙げられます。

舌のただれや複数の足に移っていく跛行(痛そうにかばって歩くこと)が見られることがあります。


"分離不安"ドイツ語羊飼い

治療はヘルペスと同じように行います。どちらもウイルス性なので原因療法(原因に対して直接作用する治療。この場合はウイルス自体をやっつける治療。)が難しいため予防が大事と言えます。

 

予防方法は感染症予防の基本で定期的なワクチン接種と、ウイルスを持っている可能性がある猫との接触を控えることです。

特にワクチンを打っていない室内猫がいるお宅で、子猫を拾ってきたりした場合や新たに猫を迎え入れる際には注意しましょう。

こういった時には猫同士の接触を極力控え、人の動きも感染の可能性がある猫から未感染の猫にいかないようにしましょう。

具体的にはご飯を与えるときや世話をする時に、感染していない猫を先にするようにして一方通行を守ることです。

 

猫ちゃんでは比較的よく見られる病気なので、予防方法を知っておくことが大事だと思います。

それではまた...。



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